野球肘Q&A

資料1.投球フォームにおいて注意すべき点

1. アーリーコッキング期の手関節角度

グローブからボールが出て来るときには手掌(手の平)は下向きにしますが、その後の手関節は軽度掌屈位が正解です。 背屈位では、アクセラレーション期などで肩関節外転角度が少なくなり、外見上の肘関節の位置が低くなります(次の項目を参考にして下さい)

 

 

 

 

 

 

  

2. 肩関節最大外旋時の肩関節外転角度(誤解が多い項目)

93度±12度(ASMI)=おおむね両側の肩峰を結んだ直線上辺りに肘関節が位置する。 肩関節最大外旋位(Horizontal Abduction External Rotation ポジション)では、上腕の長軸は回旋動作のみを行うようにします。 THABERコンセプトなどが参考になります。

肩関節外転角度に関しては特に注意が必要です。
外見上肘関節が高い位置にあったとしても、肩関節の外転角度が正しくなければ正しいしなりは生まれません。 見た目に肘が高い位置にあっても、両方の肩峰を結んだ直線に肘関節が位置していなければ本来の意味をなしえません(ショルダーライン上に肘が位置する)。通常のオーバースローでは、体幹部が非投球側にしなり傾きます(右投げの場合は、左に傾く)。その場合には、両肩を結んだラインは非投球側(右投げの場合は左側)に傾きます。その両肩を結んだライン上辺りに肘関節が位置するのが正しいのですが、肘の位置だけに着目してしまいますと頭の真横にありますが、その肘の位置だけにとらわれずにあくまでも両肩を結んだラインの直線上に肘関節を持ってくるべきなのです。

 

●プロ野球選手の例

  

3. 肘は前に向けるのか?(出すのか?)or出さないのか?

-肩関節最大外旋時の肘の位置(肩関節水平内転角度)-
ポジションによっては例外もありますが、基本的には肘は前に向けないのが正解です。肘を投球方向に向けてから肘関節を伸ばす(いわゆるターゲッティング)のは、ダーツの動作に似ています。確かにコントロールが上がりますが球速と飛距離は犠牲になります。その投げ方で、犠牲になった球速と飛距離を稼ごうとすると「りきんで」投げる事になり関節などカラダへのストレス(負担)を作り出します。
また正しいバイオメカニクスからは外れてしまいますので、肘を前に出した投動作を行う事自体が故障の原因になり得ます。更にこの動作を行いますとボールリリース時に、第2指と3指の先がボールにしっかりとかかりません。指先がボールの下をなめるように動いてしまいますので運動連鎖の最後の最後にエネルギーの伝達ロスが起きてしまいます。このような場合には指先にまめが出来たり爪が痛んだりする事は皆無に近くなります。ボールリリースポイントにも影響が出ます。リリースポイントに関しては、プロなどの上位選手ほど早いタイミングでリリースします。地面からは高い位置と言ってもいいでしょう。肘を前に出した投げ方ですとリリースポイントは前方に移動し地面からは低い位置になります。球離れを遅らせようとする結果肘が前に出るケースも多く見られます。
(リリースポイントに関して:プロ選手ほど早いことに関しては運動連鎖キネティックチェーンにおいて重要ですが、誤解されている事も多いようです。ソフトボールでのリリースポイントの仕組みが参考になると思います)

 

●プロ野球選手の例

●リリースポイントの例

 

  

4. フォロースルーでの前腕

回内 pronation
投動作全体での前腕回内外の流れ。
テイクバックでは回内→最大外旋時には回外→フォロースルーでは回内。
この流れを適切に実施する事は、後方野球肘の予防・減少に繋がります。

 

 

 

 

 

 

 

 

  

5. 補足説明

2番目の「肘の高さ」と3番目の「肘を出すのか?出さないのか?」は良く見られる問題点(誤解されやすい内容)だと感じています。 気をつけるべきポイントは、列記しだすときりが有りませんので代表例のみを掲載させて頂きました。